ネタバレ考察『CUBE 一度入ったら、最後』菅田将暉は何故生き延びた?

CUBE

おすすめ度:★☆☆☆☆(星1つ)

1997年にカナダで製作されたシチュエーションスリラーの傑作『CUBE』の公式リメイク作品。
菅田将暉、杏、岡田将生など豪華キャストを揃え、満を持して24年ぶりに日本でリメイクするとあって、大きな話題を呼んだ。

ネタバレを含む内容のため、作品鑑賞前の方はご注意ください。
※おすすめ度星2つ以下は基本酷評してます、苦手な方はご注意ください。

タイトル
CUBE 一度入ったら、最後
監督
清水康彦
キャスト
菅田将暉、杏、岡田将生、田代輝、斎藤工、吉田鋼太郎…
時間
108分
Filmarksスコア
2.7
Filmarksマーク数
13695件
(2023年02月13日現在)

突然、謎の立方体=CUBEに閉じ込められた男女6人。エンジニア、団体職員、フリーター、中学生、整備士、会社役員と、年代も職業もバラバラな彼らには何の接点もつながりもない。理由もわからないまま、ひたすら脱出を試みる彼らに、熱感知式レーザー、ワイヤースライサー、火炎噴射といった殺人的なトラップが次々と襲う。脱出するためには仕掛けられた暗号を解読しなくてはならないという極限状態の中、それぞれの人間の本性が徐々にあらわになっていく。

引用元:映画.com

感想

何故今リメイク…?

まずは率直な感想から述べると、めちゃめちゃつまらなかったです!
というか、リメイクが発表された時点から全く期待しておらず、「あぁ、また一つ邦画界に駄作が生まれるんだろうな…」って思ってました(笑)
なので当時劇場へは足を運ばなかったのですが、この度アマプラで配信が始まったので鑑賞してみました。

そもそも、何故今このタイミングで、何故日本でリメイクしようと思ったのでしょうか。
オリジナル版である『CUBE』がカルト的人気を博している要因の一つとして、(当時では)設定が斬新であったことが挙げられると思います。
いわゆる、ワンシチュエーションスリラーデスゲームといったジャンルが当時はまだ確立されていなかったため、『CUBE』はその目新しさによって人気が出たのだと思います。

ワンシチュエーションスリラー:一つの場所や状況で物語が完結するスリラー作品
デスゲーム:死を伴う危険なゲームに巻き込まれる


その後、これらの類のジャンル作品は海外でも日本でも量産されていきました。
海外では『フォーン・ブース』(2002)『ソウ』(2004)、日本では『バトル・ロワイヤル』(2000)『神さまの言うとおり』(2014)などなど。
特に日本ではデスゲーム系のエンタメ作品が多く、デスゲーム大国とも呼ばれるほど。

つまり『CUBE』はもはや、現代においては擦られまくったジャンル作品の一つでしかないのです。
更に、それを観るのはデスゲームものに目が肥えに肥えている我々日本人!
これらのことを理解していれば、『CUBE』を現代のそれも日本でリメイクしようとは到底思わないはずなのですが…。

(C)2021「CUBE」製作委員会

駄作になった要因

ネット上でも酷評の嵐となっている本作ですが、何故ここまでの駄作になってしまったのでしょうか。
その要因は主に3つあると私は思っています。
まず一つの要因としては先ほど述べた通り、そもそも『CUBE』のリメイクを今すること自体が間違っている、ということです(笑)

(C)2021「CUBE」製作委員会

次に挙げられるのが、残虐描写が少ないことです。
登場人物たちがどのようなトラップにかかって死んでいくか、これが『CUBE』の楽しみの一つだと思いますが、本作ではろくにトラップで人が死にません!(笑)
その理由は明白で、ダメ邦画作品あるあるの、キャストで客を寄せるプロモーションが本作でも取られているからです。
つまり、菅田将暉などの人気キャストで客を集めるためにレーティングをかけない全年齢対象作品にする必要があり、残虐描写を入れられなかったのでしょう。

また、オリジナル版のように知名度の低いキャストではなく豪華キャストを起用しているため、キャストの人気がそのまま生存時間に反映されてしまい、次に誰が死ぬんだろうといったハラハラ感が味わいづらいところも、つまらなさを加速させた要因の一つでしょう。

あと、子供のキャスト追加も悪手だったと思います。
メタ的発言になってしまいますが、登場人物に男性が多い場合は子供や女性は大抵死にませんから。(笑)

技術が発達した現代でどんなトラップにより登場人物たちが殺されていくのか、この期待を裏切ってしまったことが本作の評価を下げた大きな要因の一つでしょう。

(C)2021「CUBE」製作委員会

3つ目は、あまりにも杜撰な出来の脚本です。
菅田将暉の過去のトラウマがキューブ内で映画のように突然映し出される謎演出(何故菅田将暉の映像だけ?)、ご都合主義すぎるトラップの発動タイミング、本作で追加された主人公の過去がシンプルに無駄などなど、挙げたらキリがないほどあまりにひどいです。
面白い作品を作りたい!という気迫は一切感じられず、お金儲けのことしか考えていない製作陣の陳腐な意図がはっきりと脚本の出来にも表れています。
おまけに最後の最後エンドロールでは、全く作品の雰囲気と合っていない星野源の曲でとどめの一撃を喰らわせてくる始末…。(星野源は全く悪くありません)

(C)2021「CUBE」製作委員会

最後にこの記事のタイトルにもある疑問点、主人公の菅田将暉はトラップにあってもなぜ生きていたのか。
それは、本作が興行収入的に成功した際に続編を作れるようにしておきたかったのでしょう。
菅田将暉を本作でリタイアさせてしまったら、続編で菅田将暉によって観客を釣れないですからね。

まとめ

だんだん減ってきているとは思いますが、昨年2022年には『大怪獣のあとしまつ』といったレジェンド級のク〇映画が誕生するなど、まだまだ邦画界にク〇映画は蔓延っています。
こういったク〇映画にはなるべくお金を落とさないようにして、みんなで邦画界からク〇映画を撲滅していきましょう!(笑)

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